いかがでしたか? 「ずっとそばにいた」は。
一番心配なのは、最初と最後の段落が変わるところの意味がわかったかどうかなのですが。
あそこだけ、主人公のヒロユキ視点から変わっているんですよ。最初に書いた時は His
side っていう言葉はなくて、それというのも、オチを知って初めて、ああ、あそこはヒロユキがしゃべってたんじゃなかった。って気づいて欲しかったんですけど、周りの人に読ませたらよくわからなかったようなので付け足しました。
えーと、ぶっちゃけて言うとあれはお兄ちゃんです。最初の描写はヒロユキの生まれたばかりの頃の話です。わかりました?
当初の予定ではお兄ちゃん視点であることを隠すために、いろいろがんばったんですよ。なにせヒロユキとお兄ちゃんでは一人称が違うので、読み返してもらえれば、わかるんですけど、冒頭の部分は「僕」とも「俺」とも言ってないですよ? いやー、一人称小説ではけっこう難しい縛りでした。
ちなみにこの話をある人(六十代・男性)に読ませたら、「ちょっとブラックっていうか、障子の後ろで包丁を研いでいるみたいな話だな」と言われました。
いや、そんな純和風な話を書いた覚えはないんですけど……。まあ、取り方は人それぞれですよね。
だって、お兄ちゃんって、結局のところ生きているの? 死んでるの? っていうとそれは読者のご想像におまかせするしかないですもん。あは。